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Nomadland [Books]

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経済危機で全財産を失った人、元有名企業役員、人事マネジャー、等々様々なバックグランドの人々が家を持つまたは借りる経済力がなく、車での移動人生を選択したドキュメンタリー映「Nomadland」は2021年アカデミー賞受賞作。

その原作を読み始めて、アメリカが直面する実態に呆然、そして頁をめくるたびに心が沈んでいきます。こんな本も珍しい。
ジャーナリストである著者は実際にバンを購入し、彼等と共に数か月暮らして取材をしていきます。

月額$590の社会保障費のみで暮らせるわけがない高齢者達は夢のリタイアどころか日々の生活をいかに過ごすかが課題。季節労働者として公園やキャンプ場で働き、またはアマゾン工場でロボットのように深夜労働。
すぐにゴミになってしまうような低品質の製品の数々をくまなくスキャンし、箱に詰める作業は高齢者にとっては過激な肉体労働。労働環境はさほど整備されてなく、高齢者でなくても過酷な状態であるのはCOVID-19制限下でも明らかに。迅速サービスが売りのアマゾン社の実態を垣間見た気分に。

ホームレスというと、日中は道端で暮らし、ドラッグに明け暮れるのがバンクーバーの実態だけれど、それとは一味違う人々。彼等には居場所がある。それは心地よくなくとも、自力で生活しようという意志がある。
希望ーHOPEは忘れてはならない言葉だけれど、全ての人々の人生に当てはまるのか?

自分の今後の人生も改めて考えさせられる1冊。まずは出費を最低限に抑えて暮らしてみようかな。
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ラパン

この映画、私も春に観ました。
アメリカと言う大国の現実、アマゾンで日雇いの仕事を続けて食い繋ぐ野外暮らしの人達。
フランスも路上で暮らす人達は沢山、他国からのジプシーなども沢山、底辺を見るとキリがないのが現実です。
マクロン大統領が誕生した時、彼は路上生活者を一切無くする、と宣言していたのです。でも、この問題は、何処の国にとっても、一筋縄では行かない問題なんですよね。

007は、フランスでは、伝統の男尊女卑の図式が崩れる現代と、このスタイルの終焉を結びつける記事が多かったです。
by ラパン (2021-11-11 00:02) 

cecileyvr

ラパンさん
映画は未だ見ていないのですが、ショッキングな内容な本でした。
自分の老後はどうなるか、と思ったり。
前バンクーバー市長もホームレスの人々を無くすと言っていましたね。でも全く減っていません、残念ながら。
by cecileyvr (2021-11-12 11:57) 

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