The Body Keeps The Score [Books]
トラウマとは? おぼろげな知識で読み始めたDr. Bessel van der Kolk著 The Body Keeps The Scoreは様々な患者の症例をどのように対処していったかを記載している貴重な本。
人は過去と離れて生きていくことは難しい。しかもその過去が数十年経ても忘れられない出来事であったならば。
アフガニスタン戦等に参戦した兵士達が帰国後も戦火での恐しい体験を逃れられず家族や恋人とも幸せに暮らせないという話はニュースで見聴きしていたけれど、30年以上前のベトナム戦争の兵士達は今も尚悩まされているという事実。
ハンサムで仕事も順調なMike。ベッドタイムにガールフレンドが言ったほんの一言にパニック状態になり全てを失ってしまう。彼は子供の頃信頼していた神父から性的虐待を受けていたという事実。
北米には肥満者が多いが、彼等は精神的もしくは子供の頃に虐待されていた割合が多く、太ることにより我が身を守るという道を選んでいた。
熟年カップルのPaul & Janeはある日高速道路で交通事故に巻き込まれ、数時間後無事に救出される。
数年経っても事故を忘れられないPaulは似たような音声を聴くだけでパニック状態となるが、Janeの脳波は正常状態。むしろ空白状態。というのも彼女は子供の頃両親が常に激しく言い争い、時には父親が母親を虐待していたのを耳にすると、外界を遮断し身を守るという術を得ていたから、交通事故の際も外界を遮断していた。
様々な症例を知るにつれ、トラウマ患者達の脳と体は数年、いえ、数十年闘っているということに何とも言えない気分になります。彼等を癒せる術はあるのか?
ヨガやアートは彼等を助ける手段のひとつ。ところがHappy Babyポーズを行うとパニックになってしまったKaren.
彼女は7歳で父親にレイプされた過去を思い出してしまったのです。
ヨガは過去や将来を心配することなく今という現実に向き合う事。これは患者達にとって新しい発見となるようです。インストラクターはポーズの選択に注意するべきですね。脳と体と心はつながっているから。
2019-08-10 18:00
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コメント(2)
凄く興味深い本ですね!人知れず過去の深い悲しみや傷を背負っているトラウマがあるのを他人は知る由も無いから、明るい人にからそんな話を聞くと、心と身体の繋がりの不思議さを思います。
知人が耳が片耳聞こえなくて、その症状が出たのは結婚して同居後、あまりに意地悪でキツイ姑との生活の頃から、、と聞いて胸が痛みました。明るい人なので余計に。
by ラパン (2019-08-13 16:51)
ラパンさん
人の奥底に潜んでいるトラウマの怖さを知りました。肥満の人をただのデブと見ていた自分から、ひょっとしてこの人には人知れない過去があるのかも、と見方が変わりました。
ところがカナダでは18歳以上の成人64%が肥満というデータ。ただのデブの人も多いのかも...
by cecileyvr (2019-08-16 12:38)