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Yellowface [Books]

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新進作家Athena Liuは友人June Haywardとは時折飲み友達の仲。自身も作家であるJuneはNetflix契約が決まり輝く未来に興奮しているAthenaに羨望のまなざしを投げつつ、うだつの上がらない自分に落ち込んでしまう。
ある夜、2人はバーでかなり飲んだ後Athenaの部屋へ。Juneに次作の素原稿を見せ意見を求めたAthenaは深夜にパンケーキを焼き、ふとした瞬間に喉に詰まらせ目の前にいたJuneの処置も効果なく窒息死してしまう。Juneはパニック状態になりながらもAthenaの素原稿をしっかりと自分のバッグに入れる。その内容は第1次世界大戦下の中国人労働者の物語。Juneは更に調査、編集、再構成を重ねて出版社にメール送信。白人である彼女はJuniper Songと名乗って出版活動を広げていく。

R.F. Kuang著”Yellowface”を一気に読み終えました。
Cambridge, Oxfordで学び、現在はYale大学博士課程のKuang。在米アジアンの彼女が白人Juneという登場人物を設定したところに大きなポイント。北米での出版業界の裏事情、更にTwitter, Instagram, 読書サイト等がズラリと登場。この事情が少しでも分かると更に面白い。

出版後に上記サイトで在米アジアの人々から痛烈な攻撃を受けるJune。また出版元の在米アジア編集者は反対コメントを発表したため解雇され、その後全く職を得られない状態に。
Juneは日々SNSにさいなまされ、後半では亡くなったはずのAthenaのInstagramからメッセージが届き更にパニック状態に。

これはまさに現代アメリカ小説。細かい日常描写がとてもリアルで大笑い。
例えば出版後一気に収入が増えたJuneはIKEAで好きなだけ家具を買い、Wholefood(高価格スーパー)で買い物をする。
Asian Americanコミュニティとの関係に悩まされているJuneが久しぶりに母親を訪ねると、母親が注文した夕食はテイクアウトのチャイニーズ 等々。

言葉のやり取りはまさにテキストメッセージ展開同様の速さ。なのでこれはオーディオブックではなく文字で読むことをお勧めします。
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